お盆も空けて、より残暑が激しくなっています。
休業中にも、沢山の物件のお問合せを頂き、誠にありがとうございました。
休業中はしっかりと体を休めることができましたので、また気持ち新たに業務に取り組んでまいります。
本日は、「収益物件を活用すると、相続税をどう圧縮できるのか。」について、解説していきます。
収益物件による相続税の圧縮は、よく耳にする事案だとは思いますが、
実際に仕組みを理解されている方は少ないと思いますので、皆様の助け舟になれば幸いです。
では、本題に入っていきます。
目次
1. なぜ不動産が相続対策になるのか
相続税は「財産評価額」に基づいて計算されます。
現金や上場株式は市場価格=相続税評価額になるため圧縮効果はありません。
一方、不動産は「路線価や固定資産評価額」で計算されるため、実勢価格より低く評価されるケースが多いのが特徴です。
例えば、実勢価格1億円の一棟アパートであっても、相続税評価額は6,000万円程度に圧縮されるケースがあります。
つまり、同じ1億円の資産でも、不動産にしておくことで相続税の課税ベースを小さくできるという仕組みです。
2. 区分マンション節税の封じ込みと一棟物件の有効性
2024年1月から「タワーマンション節税」を制限する改正が行われました。
区分マンションの評価額が過度に低くなることを防ぐため、市場価格の60%を下限とするルールが導入されています。
一方で、一棟アパート・一棟マンションは対象外です。
そのため、岡山市内でも一棟不動産を取得し賃貸経営を行うことは、依然として有効な相続税対策となります。
3. 収益不動産を利用する際の3つの効果
① 評価額の圧縮
一棟不動産では、実勢価格より2〜4割低い評価額になることが一般的です。
これにより、相続財産全体の評価額を抑えることができます。
② 賃料収入による資産形成
単なる税対策ではなく、賃料収入(インカムゲイン)を得ながら資産を増やせる点が魅力です。
相続発生までの期間、安定したキャッシュフローを確保できます。
③ 債務控除の利用
金融機関から借入をして不動産を購入すれば、借入金残高はそのまま相続財産から控除できます。
現金で持つよりも、実効的に課税対象額を下げられる仕組みです。
4. 注意すべきリスク
ただし、次のような点に注意が必要です。
- 租税回避とみなされるリスク
相続直前に購入した場合や、すぐ売却した場合は、国税当局から「評価通達6項」を適用される可能性があります。
長期保有・安定経営が前提です。 - 空室・修繕リスク
不動産は保有するだけで維持管理コストがかかります。
岡山市内ではエリアによって空室率が大きく異なるため、立地や需要調査が重要です。 - 資金繰りリスク
借入を利用する場合、キャッシュフローが赤字化しないように融資条件を精査する必要があります。
5. 岡山市で考える収益不動産の活用イメージ
岡山市は大学や工業団地も多く、単身者向けアパートやファミリー向けマンションの需要が一定あります。
土地価格は東京に比べて安いため、1億円前後から一棟投資が可能です。
これにより、相続評価額を数千万円単位で圧縮しつつ、毎月安定した家賃収入を得られる可能性があります。
例えば、
- 実勢価格:1億円
- 相続税評価額:6,200万円
- 圧縮額:3,800万円(約38%圧縮)
といった水準が現実的です。
下記、実際の取引物件を用いて、税の減額を見ていただきます。
新築木造一棟アパート(岡山市北区例)
- 所在地:岡山市北区某所
- 物件金額:6,800万円(土地2,600万円・建物4,200万円)
- 購入諸費用:200万円
- 年間満室想定賃料:520万円(表面利回り7.64%)
- NOI:430万円
融資条件
- 自己資金:1,500万円
- 借入:5,500万円(地銀 金利1.3%・30年返済)
- 年間返済額:270万円
1年目キャッシュフロー
- 税引前CF:160万円
- 税引後CF:130万円
相続税評価額
- 実勢価格:1億円
- 評価額:6,200万円
- 圧縮額:3,800万円(約38%圧縮)
6. まとめ
収益不動産を活用した相続税対策は、
「評価額の圧縮」+「家賃収入」+「債務控除」
という3つの効果を得られる点で非常に有効です。
一方で、税務当局に否認されないためには、長期的な資産運用の一環として早めに取り組むことが不可欠です。
相続を見据えて慌てて購入するのではなく、
「家賃収入で資産を育てつつ、結果的に評価額も圧縮されていた」
という姿が理想です。
当社では岡山市エリアを中心に、相続・資産形成の両立を意識した不動産活用をご提案しています。
税理士と連携した具体的なシミュレーションも可能ですので、ぜひお気軽にご相談ください。